集落支援員だより(11月号)

ある会合で「むらの自給圏構想」について話す機会がありました。日本は今、食料自給率38%、エネルギーは90%以上が輸入に頼っています。外国から食料やエネルギー素材が入ってこなくなれば‥‥・と考えただけで思考が止まります。そうなってから考えていては手の打ちようがありません。多少考える余力がある今から考えて準備することが大切であると思います。

「自らの身は、自ら守る」。「むらのことは、むら全体で守る」。これが自給圏構想です。食料自給率38%は弱味でなく強味になります。輸入原料を国内産に切り換える機会があるということです。減反農地や耕作放棄地が眠っています。空き家が急増しています。目指すは地域資源を活かした食料の地産地消、住宅の地産地消、エネルギー(熱、電気)の地産地消です。地域に根差した、地域が栄える自給圏を造ることです。  実現するためには地域の可能性に地域住民が力と英知を結集するところから始まると思います。理想の旗を高く掲げて、多くの人びとの意識を換え、地域内外の人びとから支援を集めることが出来れば、地域に自給圏が生まれ、安心して暮らせる幸せを実感できる日が必ず来ると信じています。   (挿絵:角,  文:集落支援員:市原)

集落支援員だより(10月号)

山口県が主催するソーシャルビジネスコンテスト(ぶちーCONやまぐち2019)に、今度徳地八坂に移住される村上忍さんが応募され、見事準グランプリ(準優勝)を獲得されました。ソーシャルビジネスとは、様々な社会的課題(子育て、高齢化、環境保護等)を市場としてとらえ、収益を上げながらその解決を目指す事業を言います。県内各地から24件の応募があり、一次審査を勝ち残った10名により、8月31日公開プレゼンテーションが行われました。

 村上さんは、我が子が不登校になったことがキッカケで2年前に(拠点なしに)始めたフリースクールを、この度、徳地を拠点として展開していく計画を発表されました。自然豊かな徳地、地域の方々の温かい支援に見守られながら、子どもたちが自立できる大人になる学びの場を目指すという内容でした。

 発表の場で、村上さんが徳地を最適地と選択された理由は、豊富な自然と人材に恵まれていること、更に徳地には子どもを育てる「時間」があることだと言われました。感動しました。いま、不登校の子の支援については大きな社会問題になっています。ここ徳地から、この社会的課題を解決する新しい動きが始まろうとしています。

受賞者の皆さん(前列左から3人目が村上さん)

    (集落支援員:市原)