集落支援員だより(2020.6.10)

 今回のコロナ騒動は、世界中を大混乱させているという点で、私の長い人生で過去に経験がない。今まで気づいていなかったことが改めて鮮明に大衆の前にさらされたことも少なくない。「喉元過ぎれば・・・」にならないよう今までの「うやむやに踏襲していた行事」を見直す絶好の機会でもある。

 たまたま近所の同じ組内で不幸があった。最近は田舎でも徐々に葬儀等を家族親族のみで行うことが増えてきている。その際も通夜や葬儀のお手伝いが必要かどうか等を組内おそろいで当家に行って相談していた。

 コロナ禍で「3密」回避のため、団体での行動が規制されていることに鑑み、当家から「通夜、葬儀は家族、親族の内輪だけで行いたい。ついては受付等もすべて身内でおこないたいので」と連絡を受けた。

 その旨を個別にお伝えしたところ「最近は若い次を継ぐ者もほとんど都会にでており、近所といっても顔もよくわからない時代だから、この方式はコロナだからだけではなく、今後はすべてこのやり方にしたらどうだろうか」の声がアチコチから出た。

 今回は「家からの見送り」だけはしようということとなった。その時風通しのよい軒先に皆さん距離を空けて集まり、新しい方式を説明し全員の合意を得た。

「このような機会がないと、なかなか言い出せないけど、決まってよかった」と皆さん決まって安堵されたような雰囲気だった。近所付き合いがだんだん疎遠になっていく寂しさはあるけれど、時代は変化しており、変化に追従していかなければ廃れていくだけです。

 小さいことでも、このような従来からの行事を「今を逃すと次はない」の気構えで見直していくことをこれからも小まめに進めて行きたい。